下目黒日録　6月12日

　
　おそらく今も改訂版を出し続けている、もっとも古いガイドブックでしょう。
　フレンチ、イタリアン、中華、和食、寿司、蕎麦、飲食店の主要なジャンルを押さえつつ、アジア系各国料理まで紹介されています。
　今時のガイドとは異なり目に訴えるグラビアもなく、巧みな文章表現だけで食の世界へ誘っています。流石は文藝誌を基幹とする出版社らしい本かもしれません。
　これにかつてはラーメンも幾らか掲載されていましたが今はありません。これは取り上げるまでも無くなったとのではなく、逆に飲食の世界で幅を聞かせる存在となりすぎて、ジャンル的にそれだけで一冊分必要とあるからでしょう。
　そのかつて掲載されていた少しばかりのラーメン店に”たんたん亭”もありました。何度か改訂されてもラーメンのジャンルが有る限り載っていたと思います。そしてその最後の方に”たんたん亭”からの派生として”かづ屋”の名前もありました。
　版元の文芸春秋社は”たんたん亭”をよく事あるごとに取り上げてくれています。