下目黒日録　１１月１４日

　たんたん亭には子供の背丈ほどある狸の置物がありました。マスター石原がわざわざ信楽まで出かけて購入したそうです。そんな狸と背比べをしていたお客様がいらっしゃいました。今は立派な社会人ですが小学生の頃、御両親に連れられて行っておられたようです。
　そんな懐かしい話の中でかつてのワンタンの話題となりました。このお客様にしてみれば当時のワンタンの皮が溶けそうな位に柔らかくその辺りがお好みだったようです。たんたん亭が製麺所から購入していた皮は、今のかづ屋で作っている物
よりも幾らか薄い作りとなっていました。あの頃の一般的なワンタンは肉が少ないのが普通だったのであの薄さになっていました。たんたん亭が肉の沢山つまったワンタンを売り出してその辺りの規格を変えていった感があります。
　そんなお客様のご要望でワンタンはしっかり茹でて柔らかく仕上げました。すっかりと懐かしさに浸って食べていただけたと思っております。