下目黒日録　6月5日

　
餃子は皮で決まると言えますが決して餡をないがしろにはできません。
　その餡の出来を決めるのは挽き肉の善し悪しにかかっています。どんな食材を使うににしてもベースである挽き肉の品質が悪ければ全てが台無しとなります。かづ屋では肉屋さんに必ず挽きたてを持って来てもらうようにしています。
　餡の味わいは調味料による味付けもさることながら、挽き肉と野菜の練りは決して手抜きは出来ない処です。ここで意識しなくてはならないのは混ぜ合わせではなく練りである事です。手のひらをボウルの底に押し当て円を描く様に擦り合わせて練ります。ここでの注意は手の体温が肉に移らないように素早く行うことです。
　こうして出来上がった餡は、少しばかりとはいえ手を通し温度が上がっています。風味が変わりやすくなっている事を意識しておく必要があります。皮に包む作業の際に冷蔵庫から出している時間も長くなってはいけません。かづ屋では常に保冷剤を餡の容器にあてがって低温に保っています。
　このように細かな事に気をくばらねば美味しさは維持できないと考えています。