レストラン　キノシタ＠参宮橋

　店長の武藤君を誘って代々木にある「レストラン　キノシタ」でディナーを頂ました。
　ブログを始めて以来、なるべく食事の記録は撮っていく事にしています。しかし往々にしてこんなご馳走となると撮り忘れる事が多いようです。注文をする時点においてはいつも意識にありますが、料理が運ばれて来た瞬間んに飛んでしまうようです。賎しい性分が露骨にでるのでしょうか。
　本日もオードブルの「和牛のモツのラザニア仕立て」と「アジと甘海老のスープ・ド・ポワゾン」を撮り損ねてしまいました。
　武藤君に残念なこの話を語り、次に忘れるようであれば注意をしてくれるようにお願いしました。そんな手助けを借りてメインの「蝦夷鹿のパイ包み焼き」は撮る事に成功しました。　
　味わいはどれも素材の特徴がしっかりと表現され、味の輪郭はしっかりと浮き出ているといえるでしょう。たとえば牛モツは嫌みは完全に取り除いてあるものの、歯応えとコクのある旨みが強く、濃い口のトマトソースの中にあっても充分に主張があります。またスープ・ド・ポワゾンの甘エビは青魚である鯵の強さの中にあってもその存在感は失われてはいません。また蝦夷鹿は、パイに封じこまれた微かな野生味が、嫌みにならない程度の曲のある味わいを肉に残しています。口に入れると明らかに家畜類とは異なる風味があります。そんなワイルドな素材をトリュフのソースが舌に馴染みやすくしてくれています。
　こんな料理を生み出すシェフの個性も味わい同様な彫りの深さがあるのでしょう。