ルーベンス展

　
　渋谷の文化村の「ルーベンス　栄光のアントアープ工房と原点のイタリア展」に行って参りました。
　ルーベンスは子供時分より興味のある画家でした。といっても図書館や家にあった画集を閲覧していた程度でありますが。実物は中学生の頃、大阪万博の美術館にて「キリスト磔刑図」を見て随分と感銘を受けました。当時は「フランダースの犬」の主人公のネロが最後に見た絵はこれじゃないかと思い随分と感慨を深めておりました。しかし実際はそれとは違っていました。
　ともあれ、主題がギリシャ、ローマの神話であったり聖書であったりで子供の目にエキゾチックな興味を掻き立てられました。さらに躍動感溢れ色彩豊かな画面に圧倒され、いつかは本物を見たいものと思っておりました。
　以前にも日本で何点か作品を見る機会はありましたが、ルーベンス単独での企画展は始めてです。持ってこれる作品が少ないのかも知れません。今回も実際にはルーベンスと彼のアントアープ工房の展覧会となっていて、弟子達の作品も含まれております。実際名前の大袈裟なわりに内容が薄く感じました。
　やはりルーベンスを日本で見るのは難しいことです。納得できる作品は数点に限られました。子供時分に画集で見ていた代表作に接するには、それを収蔵している現地に赴くしかないのでしょう。