奇跡のクラーク．コレクション展

　
　三菱一号館美術館に「奇跡のクラーク．コレクション展」を観にいきました。
　個人収集家によるクラーク美術館はこれまで海外への出展は行われてはいませんでした。それ故日本に初お目見えの作品ばかりで注目されています。
　かつて平成六年に西洋美術館で催された「バーンズ、コレクション展」に通じる企画展と言えます。
　どちらもアメリカの個人収集家が作った美術館のです。いままで海外出展がほとんどない上、複製でもあまり出回っていない作品ばかりということです。馴染みのある作家の知らない作品を観ることへの驚きもありますが、作品の質の高さにも驚かされます。それは同時に保管の質の高さにも言える所です。出品作品の殆んどは19世紀半過ぎの製作ですが、100年以上の時の経過を感じさせる所は少ないと言えます。
　作家を取り上げるならばルノアールの作品には今回も驚かされました。「バーンズ、コレクション」では人物画をすっかり堪能することが出来ましたが、それと同様に今回は風景画や静物画にルノアールの魅力を浸ることが出来ました。その魅了される色彩は光りを得て輝いるより更に自ら光源となっているような鮮やかさがあります。モネを端緒とする印象派も色彩表現においてはルノアールにおいてその頂点を極めた感を得ました。