喜楽@渋谷

久しぶりに寄ってみれば古くからの職人さんが退職していました。40年近く勤められた方です。私がこの店に始めて来た時から麺はこの方の担当だったので35年以上はこのラーメンを食べ続けた事になります。風貌が広島カープの木下選手似で、飄々とした仕事ぶりが印象的でした。私にとって喜楽の顔といった存在だったので残念です。
長く通っていたので時にはワガママをお願いする事もありました。麺の食感をより味わいたいとモヤシを半分にと言えば、本来半切りの卵を丸一個つけていただいたりしていました。こんな一件から顔も覚えていただけていたと思います。しかし最後まで自分もラーメン職人である事は名乗らずじまいでした。
数年前にさる雑誌のラーメン特集にて、見開きのページの左右にそれぞれの写真が掲載された事もありました。その時など、その雑誌を指し示せば面白がってくださったかもしれません。
思い起こせば幾つもの懐かしい事柄が浮かんできますが、お疲れ様、有り難うございましたと声をかけられればと思う処です。
変わりに麺あげを担当されていたのは若いスタッフの方でした。ここで驚いた事はテボザルを使われていた事です。味わいはいくぶんライトな感じはありましたが美味しくいただけました。しかし平ザルでなくなったのはいささか寂しく感じます。