歯に衣着せぬ物言いいは多少の暴論を含んでいても面白いものです。
　筆者は自腹覆面取材が売りのレストラン批評家です。辛辣な批評が定評ですが槍玉に上がった店から随分と嫌われてもいるようです。そんなお店とのやりとりを興味深く読ませてくれます。
　すでに何冊この著者の本は読んでいますが、今回は食べ手側の批判が含まれています。店をヨイショする客も勘違いする店側も共に悪いとあります。確かに飲食店を育てるのはお客様で、店側との過剰な馴れ合いはお互いに良い結果は生まないでしょう。
　こちらの標的となっているお店は客単価が一万円以上です。著者は会社経営者でもあり、事コストパフォーマンスにはとくに敏感に反応しています。
　さてこの著者がラーメン業界を切ったならばどうでしょう。面白そうですが怖い気もします。しかし可能性としてみれば胃袋の容量は決まっているので、こちらに回って来るのは無理でしょう。しかしこんなタイプの批評もあっても良いかもしれません。