下目黒日録　5月3日

　チャーシューの焼き加減はもっと細やかで有るべきと考えていました。
　素材となる部位は肩ロースと股肉です捌いたブロックひとつひとつの組織に違いがあります。また、捌いたブロックの太さが同じになる事もありません。それを焼く際は一度に12本を同時にオーブンに入れます。厳密にかんがえれば一本一本に適した温度と焼き時間は異なります。しかし製作の時間は限られていますので一度に同じ温度で設定します。
　先日辺りから特に内腿の火入れにダメ出しを何度かしていました。内腿はキメの細かな繊維をもった柔らかな部位ですが、脂身が入っておらずとかくパサつきぎみです。オーブンに入れる場合比較的温度の低い場所の下段の全部におきます。しかし細かな配慮がなければ、熱が入りすぎ固くパサついてきます。
　そんな指導を行いましたが今日の内腿のチャーシューにはその成果がみられました。レアではなく火はしっかりと通ってはいますが、しっとりと柔らかく焼き上がっています。多分、熱いスープを潜れば食べ頃の美味しさになっていると思います。