下目黒日録　3月16日

　五反田店を開店する際すこし考える処があり未知の肉屋さんから仕入れてみました。決めた肉屋さんは一応五反田近辺で長年営業されていて、他の取引業者からの勧めもあるお店です。取引に際して条件は平野精肉と同様で、国産品を使う．冷凍物は使わない．挽き肉は当日挽いた物としました。
　こうして始めたお付き合いですが当初は素晴らしい品質の豚肉を持ってきてくれました。しかし一年を経過した位から時々やけに大きな部位の肉が来るようになりました。さらにそれは大きいだけでなく味わいも大味で特に脂身は口溶けが悪くて美味しくありません。注意深く点検してみると肉を包んで来ているビニールには中国語でなにやら記載されています。明らかに中国産の豚肉のようです。まったくとんでもなく甘く見られているものです。早々に取引を中止し、五反田店も平野精肉にお願いすることにしました。
　この様に当初は良品を納めていても途中で勝手にランクを落とし価格はそのままで取引する業者は希に出くわします。新規に取引を始める為に甘い餌さを放つわけです。
　こんな経験から、相場からかけ離れた価格を提示したり、通常価格では得られぬ上級品を納められると持ち掛けたりは要注意という事を学びました。