下目黒日録　3月15日

　肉の仕入れは開店当初より不動商店街の平野精肉店より仕入れています。
　開業直前に肉屋の選定は随分と迷いました。出来るならば地元の業者と考えており何件か試し買いなどもしました。平野さんへも豚挽き肉を100ｸﾞﾗﾑほど買って、その品質と共に少量の客にもどんな応対をするかとなど見せていただきました。
　このようにして仕入れ業者の選考をしましたが、仕入れを決める際お約束を何点かさせていただきました。まずは挽き肉。かづ屋の看板であるワンタンと餃子は挽き肉が命です。肉は当日挽いて持ってきていただく事。前日に挽いて冷蔵庫で一晩寝た肉はお断りいたしました。次に豚ガラ。持ってきていただく骨はゲンコツと呼ばれる足の部分だけにしてもらいました。ここにはコンドロイチンをたっぷりと含む髄がぎっしり詰まっています。さらに冷凍物はお断りにさせていただきました。この辺りは黙っていれば冷凍物が普通に入ってしまうのは悲しい現実です。
　そんな取り決めで始めたお付き合いも随分と長い年月となりました。私の要求を満たすため知らない処で苦労なされている事でしょう。それを察すれば容易に業者を代える事は出来なくなります。往々にして低価格を売りに参入を図ろうとする業者もありますが私が目をくれる事はありません。