下目黒日録　3月14日

　チャシュー
　たんたん亭の頃のチャシューは股肉を使っていました。ほぼ毎日股肉を一本使いきっていました。肉屋さんから仕入れは股を一本そのままの状態で、捌くのは私の仕事でした。考えてみれば十年以上毎日一本の股肉を捌いていた訳で、すっかり豚の股の構造には詳しくなりました。何れも同じように見えても微妙な違いがあります。人の顔付きと同様に個性があります。慣れてくると昨日今日と捌いた二本が同じ個体の左右であること位は見分けられるようになりました。
　かづ屋を開業した後に肩ロースに代えた一時はありますが今は両方を併用しています。
　どの辺りの肉がチャシューとして美味しいのか議論をすれば尽きぬかもしれません。大雑把な平均点を考えれば肩ロースに軍配が上がりますが仕入れは股肉が安くなっています。考え方として外国産の肩ロースを使うもありますが、私は採用しません。輸入先としてカナダ産は評価が良いと聞きます。その他として中国産．ブラジル産．メキシコ産などはかなり安く手に入るようですがまずは安全面を考えれば不採用です。
　安全面をクリアしたとしても味わいは国産には敵いません。それは別に黒豚などのブランド品でなくとも、鮮度管理がしっかりとした肉屋さんから仕入れれば間違いはありません。