吉兆@大井町

　福島県は白河にある「とら食堂」には以前より興味が有りました。現地までは行く機会が無いので東京近郊でそれに繋がる店があれば食べてはいます。
　こちらのお店は「とら食堂」からみれば孫に当たる関係のようです。以前は第二京浜沿いの戸越で営業されておりました。此方に移転されて2年ほど経過されたようです。
　戸越時代に一度おじゃましましたが、お店の活気はいまひとつの感がありました。しかし今や大井町屈指の行列店にだそうです。このような情報には実にそそられます。
　大井町駅より３分程の距離、人の出は多くありますが一本入った路地に店はあります。店先には行列を整理するロープが渡してあり待ち客が４人程。戸越店にはなかった繁盛店の雰囲気が漂っています。客席はカウンターだけの８席あまり、以前より絞っています。これをご夫婦お二人で切り盛りされているのは以前と同じです。
　厨房は広く客席の５倍位はあるでしょう。青竹を使って麺を作るスペースもここに含まれるのでしょうか。麺以外も手作り自家製を目指す店であれば厨房もこれくらいは欲しい処です。
　注文した支那そばですが手作り感の漂う美味しさです。肩ロースのレア気味に焼かれたチャーシューが２枚乗っているのは嬉い処です。人気が出てきた根拠が判る気がします。働くお二人から充実した空気が伝わってきます。そうなると帰り際このまま去るにはなにか口惜しく、奥様に声をかけてみる事にしました。
　そこで「移転して良かったですね。」となげかけると、返ってきたのは「ゥググググッ・・・」っと言葉にならない絞り出すような笑い声でした。これは心の奥から発した真実の声に聞こえます。