下目黒日録　1月１日

　通常より少ないスタッフで新年の営業はスタートしました。
　元旦の予想される入客に対して、本来ならばスタッフは4人で臨みたい処ですが出勤は私を含めて3人だけです。店を開ければ思った通り追いまくられる展開となり、それは閉店時間の６時まで続きました。
　スタッフの一人沖縄出身のT君は、部屋に地元からの友人が何人も泊まり込みんでおり、昨夜は寝たのが朝方だったそうです。随分と無茶をするものですが、乗り切れるのは若さですね。もう一人のスタッフはミャンマー人女性のIさん。朝8時から店に入り夕方近くまで食事も休憩も採らず頑張りました。彼女の精神力の強さには脱帽させられます。二人はいつもは五反田店の勤務なので目黒店はいささか勝手が違っていたと思いますが。
　こんな大変な一日でしたが、無事に終了すれば充実感に包まれます。一年のスタートとすれば良きかなの感が有ります。
　仕事を終え帰宅した夕食後に、上海の李さんから電話が有りました。
　李さんが帰国してもう８年はたちますが時々連絡をくれます。正月には必ず声を聞かせてくれるので嬉しくなります。
　李さんの近況とすればここの処商売の調子が上向き大変忙しい毎日を送っているようです。去年から始めた輸入食材のネット販売が軌道に乗ってきたようです。今中国では富裕層の購買意欲が高まり、中でも海外製品に対する要望が強くなっているそうです。今後とも商売は拡大してゆく可能性が高いようです。
　そんな李さんとの会話の終盤には必ず、私への感謝の気持ちを述べてくれます。かづ屋で働いたことで自分の人生が開けたとの思いは常に有るようです。私とすれば彼が懸命に働いたから人生のチャンスを掴んだと考えており、たとえかづ屋で働いても人生を切り開けなかった従業員は沢山います。彼の真摯な姿勢が総てであると考えています。
　しかしこの律儀さは嬉しいですね。