下目黒日録　12月12日

　規模の大きなターナー展は十年に一度は日本で催されている感があります。私は確かこれで３度ほどの企画展を観る事になります。毎回多くの人出が有りこの作家の人気の高さがうかがえます。
　今回も会場はかなりの混雑が予想され、観に行く事を随分と躊躇していました。しかし昔からこの画家が好きで、是非とも観たい欲求は押さえがたく、意を決して上野は東京都美術館へ行ってまいりました。
　そんな思いで出向いてみましたが、やはり来て観て良かったと納得出来る作家です。観る度に新たな良さが味わえます。
　今回は水彩画の引きつけられる作品が何点か有りました。細部まで描き込ままず軽やかな筆触で画面をつくりながら、しっかりと臨場感を伝えてくれています。
　また、未だターナーらしさがそのモチーフや技法がに現れる以前の若い頃の作品にも魅入らました。イギリスの牧歌的な風景の中、いかにも風にそよいでいるかの針葉樹を観ているのは心地よいものです。