下目黒日録　10月15日

　十年に一度の大型台風接近の報を受け、夜の営業は閑散としています。
　五反田店は従業員の帰りの足を考えて早じまいとしました。世間はそんな店も少なくないでしょう。
　目黒店は開店以来25年ですが悪天候が原因の臨時休業は一度もありません。確かに入客数は限られますが、あてにして来店される方を考えれば閉めたくはありません。
　しかし、店を開けていれば予期せぬ展開がおこる場合もあります。開業より間もない年の冬、記録的な大雪に見舞われた日の事です。前日から普通に仕込みをしていたので迷う事なく定時に営業を始めました。あまりの大雪にお客様の来店はあまり望めないと思ってはいましたが、意外とひっきりなしの入客です。そして最終的には普段の日とさして変わらぬ売り上げとなっていました。
　この結果は何が要因なのか考えてみれば、足元が悪い分、店に至近に住まわれる方がご利用されたようです。あまりの大雪に仕事を休まれたり、用足しを取り止めたり、在宅される方が多くなったようです。そんな方々が選択肢が狭められた処で支那ソバでも食べておくかとなったようです。
　本日もかつての雪の日のような展開をすこしは期待しましたが、そうは巧くはなりません。しかしこれからもこの姿勢は崩さず、営業できるのであれば極力店は開けるつもりです。