下目黒日録　11月13日

サン＝サーンス　　白鳥
　フォーレ　　　　　夢のあとで
　バッハ/グノー　　アヴェ・マリア
　ベートーヴェン　　メヌエット　ト長調
　カサド　　　　　　愛のことば
　ルビンシテイン　　メロディ　作品３の１
　ポッパー　　　　　ハンガリア狂詩曲
　ヘンデル　　　　　ラルゴ
　メンデルスゾーン　歌の翼に
　バッハ　　　　　　アリオーソ（チェンバロ協奏曲第５番?第２楽章）
　ゲーンズ　　　　　スケルツォ　作品１２の２
　　　徳永兼一郎（チェロ），神谷郁代（ピアノ）
　　　<1971.2.4-5>
　　目黒の店内に流す音楽は大概は私の選曲です。
　本日はそんな選曲にお褒めの言葉をいただきました。
　その時かかっていたのが、かつてのN響首席チェロ奏者、徳永謙一郎氏のチェロの小品集です。コンサートマスターの徳永二男氏のお兄様にあたります。
　癌で55歳でお亡くなりになって17年ほど経ちますが、その最後の演奏会の模様をドキュメンタリー番組で拝見しました。死の45日前に入院先のホスピスで行われた演奏会では、パプロカザルスの鳥の歌を滲み出るような音で奏でておられました。
　人生の最後をこんな形でお別れをされるとは、実に素晴らしい締め括りとたいへん感銘を受けました。
　そんなチェリストの若き日の録音です。
　普段ヴァイオリンの演奏で親しまれている曲がほとんどですが、こうしてチェロで聞くのも新鮮かも知れません。幾分低く押さえた音色が安らかな気持ちに導びいてくれます。
　そんな選曲を感心して下さった方は、レコード会社の社長様です。音楽の専門家であることがさらに嬉しくなります。