下目黒日録　１２月１６日

　民主党がこんなに後退するとは思ってもみない結果となりました。３年前の政権獲得時に、２大政党時代到来かと熱狂した世相を懐かしくおもいだされます。かつての革新政党の現実派とリベラルな保守派が手を組んだ感がありましたが、どちらも付け焼刃的な政権担当能力だったのでしょう。本来分配型の政策を遂行することに期待を寄せられた革新派ですが、政策当事者となれば現実的な選択をよぎなくされ支持者の期待を裏切ってしまったでしょう。方やリベラルな保守派は防衛外交問題の噴出に、国民の納得いくような指針を示しえていない思われます。そんな処が今日の結果を生んだのでしょう。
　私的には再び自民党政権ができることに納得のいく結果と思っております。安部自民党総裁が掲げる「戦後レジームからの脱却」は期待したいところです。さらに踏み込んで「昭和史の総括」をも政治を超えて行われるべきと思います。
　さて今回敗れた民主党ですがこちらも大いに期待したいところがあります。
　まず解散総選挙に打って出た野田総理には一定の評価はされるべきです。民主党の３人の総理のなかでは一番まともに見えました。まだ若いので今後に大きな仕事をやってくれるかもしれません。
　そして民主党内ではかつての革新政党の残滓が徐々に整理されていくことでしょう。そうすることで真に政権が担える政党に成長していくと思います。その結果として政権交代が可能な政治土壌ができあがることでしょう。日本の閉塞感を打破するのは民主党の役割かもしれません。