下目黒日録　１０月１０日

　麦入りのご飯が美味しいと目当てにされているお客さまも少なからずいらっしゃいます。
　そのご飯が、こともあろうかランチタイムの２時の段階で品切れとなりました。しかも二名様ほど注文をお受けしたあとのお断りに、大変申し訳けのないことになってしまいました。
　原因は５合のお米に７合分の水加減にて焚いてしまったことにあります。目分量だけでといだお米の量が判別できないとは、普段からマニュアルに頼っている故なのか、担当スタッフの指導不足を反省しております。
　そもそもかづ屋では美味しいご飯を食べていただくため様々な取り組みをしてきたところです。
　まず美味しいご飯の条件は炊きたてです。そのために一度に焚くお米の量を一升焚きの釜で最大７合までとしております。そのためランチタイムの途中でも何回かに分けて焚いております。またそれを可能にするために常に次に炊き上げるお米を用意しておかねばなりません。またそれは火を入れる３０分前に用意ができていなくてはなりません。お米はたっぷりと水分を吸いこむことにより、熱がすみやかに芯まで伝わりふっくらと炊きあがります。
　その用意したお米をガスの強い火力で炊き上げます。さらにたきあがったご飯は釜から保温専門のジャーに移し替えます。その過程で余分な水分が湯気となり飛んでゆき、ご飯に一粒一粒の感触がでてきます。
　ご飯の美味しさは決してブランド米を使えば良いとは思いません。かづ屋ではお米はお米屋さん任せ、今あるお米でこの価格で一番良いブレンドで、しかも精米したてをもって来てもらっています。そしてけっして特別な方法ではなく、基本を大切に実行しております。
　このような取り組みを毎日間違いなくこなしていくには熟練が必要なのでしょう。